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田楽座は、創立して33年になります。この33年の間、長野県内、また全国各地の皆様方に支えられ励ましを受け、一貫して民俗芸能を根に据えて制作普及活動、舞台創造活動を展開してまいりました。 田楽座の歴史は日本の高度経済成長や列島改造が始まるのと時を同じくし、世界に誇る我が国の文化的伝統はこの施策により破壊され、国民の生活様式も急速に変えられてきました。すべてが経済優先で突っ走り、確かに国民総生産では世界のトップクラスの経済大国にのし上がりました。しかしこの間に、日本人として大切なものを忘れてきました。 そしてその事に気づき、取り戻そうとしている今、また、市場原理だ、行革だ必要のない大型公共投資だ、などという言葉が飛び交い、過去を反省せず、失敗を繰り返そうとしています。 こんな日本の歩みのなかで田楽座は、創立以来、「土の香 人の情 ふるさとをこよなく愛して」のスローガンを一貫して掲げて、舞台を通じてふるさとに昔から伝わってきた唄や踊り、太鼓や獅子舞など民俗芸能を受け継いでいく大切さを主張してきました。 中川氏は、南信州の遠山郷の霜月神楽と出会い、この谷の祭りやそこに暮らしている人々に日本人の原点を求め8年間通い続けて写真集「神棲む谷 - 80年代遠山の記憶 -」を撮影・出版された写真家です。 彼の眼を通して写し出された座員の様々な表情は、今を精一杯生きている証です。 最後に、苦労して撮影して下さいました中川賢俊氏に感謝すると共に、出版、印刷への無理な注文を快く聞いて頂いた光村印刷の飯島清さん、デザインをして頂いた吉田華成さんにお礼を申し上げたいと思います。
1997年9月 歌舞劇団 田楽座 代表
松田 光男 |